研究

本研究室では、学習科学・人工知能・データサイエンスの融合領域において、教育データを活用して人間の学習を理解・支援・個別化する研究に取り組んでいます。Brendan Flanagan が主宰する本研究室では、Learning Analytics(学習分析)、AI in Education(教育におけるAI)、Educational Data Science(教育データ科学)、Human–AI Collaborative Learning(人間とAIの協調学習)を中心とした学際的研究を推進しています。

私たちの目標は、学習行動を分析するだけでなく、学習者や教育者に対して意味のある、説明可能で、人間中心のフィードバックを提供できる教育技術を設計することです。将来の学習環境は、人間の知能と人工知能の強みを融合し、適応的で内省的、かつ魅力的な学習体験を実現するべきだと考えています。

研究ビジョン

デジタル学習環境では、読書行動、操作ログ、協調学習、文章作成過程、問題解決行動、生成AIとの対話など、多様な学習活動データが継続的に生成されています。本研究室では、これらの学習データをどのように有益な知見へ変換し、学習成果の向上へ結びつけられるかを探究しています。同時に、プライバシー保護、透明性、学習者主体性も重視しています。

本研究室の研究は、主に以下の3つの柱から構成されています。

学習分析と教育データサイエンス

本研究室では、大規模な教育データの収集・モデリング・分析を通して、学習プロセスの理解を深める研究を行っています。

主な研究テーマ:

  • eラーニングにおける行動分析
  • 読書行動分析・言語学習分析
  • 学習進捗モデリング
  • 自己調整学習分析
  • 予測可能かつ説明可能な教育AI
  • 学習ダッシュボードとフィードバック支援
  • 学習分析基盤システム

これまでに、日本の高等教育における大規模学習分析基盤の構築や、プライバシーに配慮した教育データ活用環境に関する研究に取り組んできました。

人間中心の教育AI

生成AIが教育分野へ急速に導入される中、本研究室では、AIが学習者とどのように協調し、教育的に意味のある支援を提供できるかを研究しています。

近年の研究テーマ:

  • 個別学習支援のための説明可能AI
  • 人間–AI協調学習システム
  • AIによる振り返り支援・自己説明支援
  • 学習停滞(impasse)の検出
  • 適応的フィードバック生成
  • 倫理的・信頼可能な教育AI

これらの研究は、人間中心の学習分析や、人間とAIの協調知能に関する研究へとつながっています。

学習基盤システムとオープン教育データ

教育イノベーションには、拡張可能で相互運用性を備えた学習基盤が不可欠です。本研究室では、教育機関間で安全に学習データを共有・統合・活用するための仕組みについて研究しています。

主な研究テーマ:

  • 学習分析プラットフォーム
  • プライバシー保護型分析システム
  • 合成教育データ
  • オープン教育データセット
  • 教育データ標準化・相互運用性
  • エビデンスに基づく教育エコシステム

近年では、合成教育データを用いた協調型学習分析や、オープン教育データ活用に関する研究も進めています。

研究分野

現在、本研究室では以下の分野を中心に研究を行っています。

  • Learning Analytics(学習分析)
  • Educational Data Mining(教育データマイニング)
  • Artificial Intelligence in Education(教育AI)
  • 教育自然言語処理
  • 読書・言語学習分析
  • Explainable AI(説明可能AI)
  • Human–AI Interaction(人間–AI相互作用)
  • Self-Regulated Learning(自己調整学習)
  • 教育推薦システム
  • 学習ダッシュボード・可視化
  • 生成AIを活用した学習支援
  • 教育ビッグデータ基盤

主な研究成果

Brendan Flanagan および共同研究者らは、以下のような研究に取り組んできました。

  • シームレス学習のための学習分析基盤
  • 日本の高等教育向け大規模学習分析システム
  • 個別学習支援のための説明可能AI
  • 読書行動を支援する学習ダッシュボード
  • 教育データサイエンスを活用した読書支援システム
  • プライバシー保護型学習分析システム
  • 合成教育データを用いた協調分析
  • 学習進行・wheel-spinning分析
  • 数学学習におけるAI活用型学習停滞検出

国際連携と学術活動

本研究室では、Learning Analytics、Educational Data Science、AI in Education 分野において、国内外の研究者・教育機関と積極的に共同研究を行っています。

また、以下の主要国際会議・学会コミュニティへ継続的に参加しています。

  • Learning Analytics & Knowledge (LAK)
  • Artificial Intelligence in Education (AIED)
  • Educational Data Mining (EDM)
  • International Conference on Computers in Education (ICCE)

目標

本研究室は、AIと教育データを責任ある形で活用し、学習者を支援し、教育者を支え、エビデンスに基づく教育の発展へ貢献することを目指しています。

教育・人工知能・データサイエンス・人間中心設計の融合領域に興味を持つ学生・研究者との共同研究を歓迎します。